【 萩尾望都「ポーの一族 〜春の夢〜」/月刊flowers 3月号】
そんなんホイホイ買うに決まってるだろ!!!!
うひえええ……
まさか続編を読めるなんて夢にも思ってなかった。
学生の頃以来だよ月刊誌買っちゃったの。
もう「すごい……エドガーとアランだ……」っていう心底頭の悪い感想しか出てこない。
主従をイズァローン伝説に叩き込まれたとしたら
人外はポーの一族に叩き込まれたと言って過言じゃないんだ。
このアランのエドガーにしか興味ないっぷりほんと好き。
エドガーの一般人向けの静かな物腰も懐かしい。
スタート地点からバンパネラだったエドガーの麗しいギャップはいつ見ても最高だなと思うけど、
今思い出してみるとアランの描写が本当に素晴らしいんだ。
ひとりは寂しいだろうとバンパネラ入りしたアランのじわじわと人から離れていく姿。
エドガーと共に時間を止めてしまって、そのエドガーはずっと隣に居るものだから
世界も一緒に時間が止まっているのだと錯覚してしまうその姿。
直系としてバンパネラと共に過ごして、それはそれで揺るがないものを持ってるエドガーと違って
人として暮らしてきたアランが、その感覚だけは持ちながら人から離れていって、
ふと気付いた時には錯覚を信じ込むまで離れていっていたことがもう堪らない。
これがまだ成人していた頃ならまだ違うかもしれないし、
多少なりとも人と関わりながら過ごしていたらもっと違っていたかもしれない。
でも隣に居るのは同じように時間の進まないエドガーで、
変わっていくのは世界だけで、
移り変わる人々の顔と名前を覚えておく程には立ち入らなかった。
くわえて、あの年なんだもの。
いまだ少年の姿で、まだ人が老いることも死ぬことも目の前に無い年頃のままなんだもの。
朝は同じようにやってきて、夜も同じようにやってきて、
そうしてまるでずっと同じ日が繰り返されることを信じられる若さのままなんだもの。
エドガーとアランは良い。
言うほど純粋な関係でないのが、すごく良い。
いや、不純な関係でもないけど。ないけど。
エドガーに付きまとう罪悪感と、だからこそなのか大切にする庇護者感と、
大切にされるごとにメリーベルの影を思い出しながらも、
エドガーを寄る辺とするアランの、少し鬱屈としてそれでいて少年らしい感情の垣間見える感じ。
折り重ねられたような複雑な感情を互いに持ちながら当然のように隣に居るのが素晴らしいんだ。
で!!
flowersの連続掲載記念か何かで1巻が無料で読めるよ!!!!
私ちょうどこの頃の絵が一番好きなんだ……。