【感想】色々観たもの

連休にかまけて色々観たものの感想まとめ。
忘れないうちに書いておこう。

 

○龍の歯医者

後編の途中から視聴してよく分からないまま「ベル君かわいいな」と頷いたまま終わっていた龍の歯医者。
やっと前編から観たよ。

やっぱりよく分からなかったよ。
最近知力の衰えをとても感じる。

ということで公式サイトで設定資料を漁ってきました。
うおおお肝心の「龍の契約って何だ」「そもそもなんで戦争してんだ」「文化水準がさっぱり分からん」「あの美しい神官様はどなたですか」あたりが結局無いじゃんかよもおおおお。
いいんだよ出し惜しみしなくてえええ。

ちなみに、ちょうどこの直前に星を追う子どもを観てました。
まーた死者追いかけてる大人がいる……。

 

独自の世界観や世界考察はさておき、
一番こころ震えたのは最後のベル君とブランコさんの対峙シーンでした。
引き金を引けなかったベル君の「殺意のない殺意」が、すごく良かった。

すべきことをする、という美しさはどのような作品にも描かれる普遍的なテーマだと思うのだけど
ベル君の美しさはそれを「他者に委ねる」ことで完成させたところにある。
ブランコが引き金を引かなければ、もっと言えばブランコに殺意がなければ成り立たない方法だった。
殺意がなければ首を撥ねられることはない。
ベル君に殺意がなかったことは虫歯菌の様子からも分かる。
あの場面ですらベル君はブランコを殺そうとしていなかった。
ただ結果を選ぶよう、相手に委ねた。

かつて裏切り殺した相手に殺意無く銃口を向けられるベル君は、
自分を振り落として池を渡った馬にすら美しさを見出すような少年だったし、
”来る際”を知りながら待つ歯医者たちに何故生きようとしないのかと言い放てるような少年だった。
あの歯医者たちの中で唯一、自分のいのちの使い方を自分で決められる立場でもあった。

あの対峙は、ピタゴラスイッチ的な策と言えば策ではあったけれど、
戦場で生きていくには余りにも優しすぎる(ともすれば甘すぎる)ベル君だからこそ取れた策であって、来る際を知らないベル君が自ら選んだ方法でもあったことに、とてもとても心が震えた。

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○シュヴァリエ

騎士騎士忠誠金髪騎士忠誠金髪騎士

っていう性癖ど真ん中を的確にクリティカルで殴打され続けるような内容でした。

もうネーミングからずるいんだもん!!!
なんだよ、デオンて!!! デュランて!!! 格好いいに決まってる!!!!!!

そもそも題名の”シュヴァリエ”がすでに和訳したら騎士で、
もう右見ても左見ても騎士騎士忠誠騎士忠誠でした。
それも忠誠を捧げるのは国という硬派っぷり。たまらんですなあ。

少し調べてみたところ、主人公の「デオン」さんは実在の外交官。
それも後世を女装で過ごしたというエピソードの持ち主です。
デオンを中心として18世紀ヨーロッパを舞台に、王政から革命へ向かう様子が描かれ、
群像劇というよりは大河ドラマのような雰囲気でした。
主人公格となる人物達の交流は描かれながらも、
あくまで物語の軸となるのは「変動の兆しに揺らぐ最後の王朝」といった趣きです。

フランスにはルイ15世にポンパドール夫人が、
ロシアにはエリザヴェータ様にエカテリーナ様の女帝達が、
イギリスにはジョージ3世が、と このあたりの時代に詳しくて好きな人にはより一層堪らないんだろうな。
ルイ15世と王位を狙う叔父オルレアン公の水面下で胸ぐら掴み合った華やかな口喧嘩はとても楽しかったよ。
ロシアの女帝達も、ポンパドール夫人も、マリー王妃も、
女性陣がとても美しくて逞しくて、そして真っ直ぐで、すっごく良かった。
マリー王妃がな……マリー王妃とルイ15世夫妻と、イギリスのジョージ3世夫妻がすごく良かったんだよ……。

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