【漫画】好きな作品の話。

当記事で話す作品は、BLジャンルではない、というか久しぶりにRentaで作品概要見たらBLジャンルから少女漫画に再分類されてた作品です。
どちらかと言えばコンビという感じが近いのかもしれない。ブロマンスなのかはよく分からない。
ともあれ、えろいお話はありません。この記事にも、作品の中にも。

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さんかく窓の外側は夜 現在5巻連載中
さんかく窓の外側は夜 1

さんかく窓の外側は夜 1

[著]ヤマシタトモコ

著者:ヤマシタトモコ
発行:リブレ
レーベル:クロフネコミックス

大好き。
ヤマシタトモコさんの作品大好きなので、さんかく窓の外側は夜以外のものもスキを見てねちねち話したいと思ってます。
さんかく窓の外側は夜は、ジャンルとしては、SF・ファンタジーとホラー・サスペンスが混在してる感じです。
幽霊が見える主人公三角くんと除霊師冷川さんのコンビによるお話。
またこの「幽霊」表現が秀逸で、絶妙に不気味で怖くて堪らん。

さんかく窓の外側は夜の好きなところは、見えないものが見えるその表現。
1巻こそ「ふええエグいよう」っていう表現はあるものの、
他は本当に、些細な違和感の積み重ねによって出来上がった幽霊 という風です。
例えば、眼鏡を外した時に”それ”だけが妙にはっきりとした輪郭を持って見えることだったり、
厚みがまったくない姿であったり、
脈絡のない言葉を連ねながら、ただずるずるとついてくる様子であったり。
グロ表現こそ無いのに、だからこそ紛れている違和感に気付いて背筋が冷える感覚が、堪らない。

ひそかに映像化されないものかと思っています。
あとこれは当作品に限らないのだけど、会話劇もとても好き。
この会話劇を誰かの声と空気で見てみたくて、余計に映像化を心待ちにしています。
ヤマシタトモコさんの作品は、舞台や映像を見ているような存在感がある。

幽霊だったり幽霊のような不気味なモノだったり、さらにそれを除霊して、という本筋からすればオカルトという表現もありそうだし、きっとオカルトも正しく当てはまるのだろうけど、この作品に関して言えば、やっぱりサスペンスが似合う。
ハラハラする。ドキドキする。
幽霊や幽霊のようなモノの存在はあくまでキッカケの一つであって、だからといって「やっぱ人が一番こえーな!」という安易な結論に至るものでもなく、オカルティックな存在に人が介在することで浮き彫りになる”違和感”。
これがすごく面白い。

現象があり、それに反応する人や感情があり、さらにそこに介在する三角くんと冷川さんの温度差があり、そこまで揃ってはじめて出来事として成り立つ様子が大好き。

さんかく窓の外側は夜の素晴らしい点はこの、淡々とした現象処理。
不気味な彼らに理屈も理由もすでに無く、除霊する彼らもただ目の前の現象の処理をしているだけで、
そこに妙な情を挟まない描写の潔さ!
可哀想な過去や、同情されるような境遇があったとしても、それすら「現象」であり「事象」であり、
まるで淡々と描写されるものだから余計に読んでいてその温度差を感じずにいられない。

この一歩引いた描写がすごく好きなんだ。

とは言え、怖いモノは怖いし嫌だと三角くんは言ってくれる。
持っている力やそれ故に求められる理不尽さも他の登場人物たちが語ってくれる。
そして余計に、冷川さんの異質さが際立つ。
最新刊では冷川さんの過去が明らかになってきて、他の登場人物たちも絡みだして、いよいよ面白くて堪らない。
映像化、お待ちしてます。

 

moon river  全1巻
moon river

moon river

[著]本郷地下

著者:本郷地下
発行:新書館
レーベル:ウィングス・コミックス

ヴァンパイアの話だよ。
もうあらすじの情緒をガン無視した表現だね。
絵本作家を目指す主人公と、幼い頃に出会ったヴァンパイアのお話。
疲れた夜、眠る前に読むと何かすごい切なくて幸福な気持ちで眠れる作品なんだ……。

本郷地下さんは、「ふくふくハイツ」がまた最高に可愛らしく、この生活風景の描写が堪らないほど大好きで作家買いした作品でもあります。
moon riverでも、その生活感が発揮されているところが大好き。
本郷さんの生活感の魅力は、単純な「生活描写」ではなく、「そうやって暮らしてきたのだ」という片鱗に強く感じます。
煙草を吸い、毒素抜きのタブレットを溶かした水で陽光抑制剤の錠剤とカプセル状の血液を飲み込み、新聞を読んでニュースを見て、人のように眠るヴァンパイア。
この時点で堪らなくないですか。私は堪らない。
笑い、生活費を稼ぎ、眠り、起きて過ごす姿が馴染みすぎて
けれど彼はこの姿のまま数百年も前から過ごしていて、これからも数百年過ごしていくのだろうかと思い気付いた瞬間の、まるで眼前にあらわれた絶壁のような断絶。
漏れる寝息すら、ヴァンパイアである彼には不必要なのではないかと思うと、では彼には何が必要なんだろうと思わずにいられない。

moon riverで最高に好きなところは、はじめから「別れ」が前提であるところ。
別れるためにヴァンパイア・クレアは主人公の元を訪れて、まるで思い出だけが残るように居なくなる準備をしている。
それが作品の序盤からひたひたと感じられて、作品全体がずっとどことなく切ない。

moon river は、近づけない距離があることが前提で進む物語です。
近づきたい、近づけない。
そちらに行きたい、でも出来なかった。
近づけない距離を持ちながらも、だからといって決して混じることが出来ない絶望の距離ではなく、ではどのように混じっていくのかに目が向けられたとてもとても優しい視点がある。
人の”営み”の一部であるように、このまま共にあることは出来ないとしても、形を変えて何か届くものがあるのだというエンディングがすごく好き。

違う場所にいるから共にあることが出来ない。
けれど違う場所にあるからこそ、そこからでしか届けられないものがある。
こういう、祈りにも似た話がすごく好きで、とても弱い。

 

雷神とリーマン 現在2巻
著者:RENA
発行:リブレ
レーベル:クロフネコミックス

疲れた時に読むと結構泣いちゃうから気をつけるんだぞ。
私ですか。
さっきからもう、感想まとめるために読み返してる作品群のお陰で涙腺がばがばです。

人になりたくて天からベランダに降りてきた雷神様・雷遊と、社壊人生活に疲れてきたリーマン・大村さんのお話です。

もー大村さん優しいし、雷遊様の懐やたら広いし、自動改札に止められてる様子可愛いし、
じんわりくる会話とちょいちょい入る大村さんのきれっきれのツッコミのバランスで癒やされて癒やされて仕方ない。
雷遊様の彼氏力高いよう。
大村さんの彼氏力も高いよう。

人らしさとは何か、とか何とか小難しい話はさておいて
雷遊様と暮らしながら、誰かと食事して「うまーい!」して、頑張ったら労ってもらって、
風邪引いたら心底心配してもらって、自分の持つ気持ちを誇るのだと気合を入れ直して、嬉しいものを共有して、
そういう大事にしている・大事にされているものがどストレートに伝わってくるものだから、

疲れてる時に読むとほんとクる。

雷神とリーマンの好きなところは、
全編通して根底にある「自分と相手に向き合う」姿勢。
時に雷遊様から、時に大村さんから、1:1で向かい合う故に生まれる言葉の優しさったら。

雷遊様があまりにも男前過ぎて、ともすればスパダリ神様に絆される大村さんの図になりそうなものなのに
神様の孤独にいち早く気付いて、今あるここが神様にとって幸いなものであるように計らう大村さんの優しさがホント好き。
この双方向に違う視点から描かれる優しさと
きれっきれのツッコミ。
バランスが良いんだよ! しんみりさせ過ぎず、茶化し過ぎず。

メインストーリーが進むというよりも、エピソードを重ねながら変化していく様子が描かれていく形式です。
完結と銘打たれていないので多分、まだ、続く、はず。
続いていて欲しい。

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